初鹿殺し。劇団名とか、タイトルとか、チラシやHPの感じとか、そんなんからの印象で言うと、ハイレグジーザスだったりゴキブリコンビナートだったりあの辺に近いのかね(って実はどっちも見た事ないのでイメージトークなんですが、一緒に見たEちゃんとは意見一致)と思ってたんですが、開けてびっくり、ほえーこんな芸風なのかー。というのを、実は事前に「イメージ違うよ」な意見を目にもしてたんですが、実際体験してみるというのが重要な訳です。で、今回代表作再演とのことだったので、良いチャンスかもと見に行ってみました。…なるほどね。
当日パンフレットに「劇団鹿殺しはもちろん鹿を殺したりしませんし、(中略)裸の人が奇声を上げて客席に襲い掛かるようなことも無いです。」「初めての方、どうぞ怖がらずに観に来てください」と書かれてて、劇団名とかからのギャップは自覚あるようで、それはワザと仕掛けていることなのか、「そう見られちゃうんですよね」なのか。どっちかな、やっぱワザとか。だとしたらまんまとで悔しい気はするんですけども。ただその、最後いい話に落ちてくギャップは初回にしか使えないわけで、分かった上で違う作品を見た時にどう感じるかは、また全然違ってくるかも。少なくとももう1回は行かなきゃかな。
で今回の作品。
<一応畳んでおきますね> 自伝的な話だそうですけど、どこまで事実なんだろ。事故の話もそうだけど、大工のあたりとか。河野さんが演出ってことだから、ここがチョビさんなの?としたら結構フィクションなのか。ともあれ、昔の列車事故の話を絡めて、「電車は血で走る」というちょっと物騒?なタイトルが、きれいにいい話に昇華したのがすごいと思いましたです。ラストの電車はずるい。
ただ私的に一番ぐっときたのは、事故云々のところよりも「俺には面白いことはかけない」のシーンでしたが。アレを自分で書いて自分で演っちゃうのってすごいな。この辺も他の作品が見てみたい理由の一つ。
電車の表現の仕方とか、ちょっと遊機械的というか、ファンタジックなおもちゃぽい感じもあったりしてね。これもギャップだな。劇団名やタイトルとのギャップ、前半戦に劇中劇とか力一杯のシーンを怒濤に繰り出しといて、ラストしっとりさせるギャップ。うーん、ギャップ使いだなあ。あ、力一杯については
http://twitter.com/ryoayase/status/17429884516 のツイートな感じで。
今回、河野さんが出てたのも見に行く要因の一つだったんですが、なるほど新感線との共通点は確かにありますね。今回で言えば劇中劇が歌舞伎調だったのも勿論そうですが、つか芝居が源流に流れてるのね、というのがすごく分かる。マイクもって歌ったり、派手にぶちかます感じ。ケレン味。てか、あの劇中劇ちゃんとやったらすごくカッコいいんだろうなー。宝塚奇人歌劇団、好きだわ、あれ。衣装とかメチャクチャな感じ含め(笑)
ただ、私としてはもうちょっと歌がぴしっとすると嬉しいかも。とはいえ上手くなっちゃうとそれはそれで個性が無くなっちゃうのかなあ。難しいところかなあ。演技としても、役に合わせて癖のある感じにしてるのか、元からそうなのかがちょっと謎。これも他のを見てみないと分かんないね。
で。丸尾丸さん(現丸尾さん)かっこよかったです。