「声」
Written by.彼方 2004年04月28日(水)11:42
声が聞こえると猿はいう。 最近うわの空だったのはそのせいだったらしい。 普段は俺が扉を開ける前に飛び付いてくるのに、今は夕日に溶け込むように窓辺で外を見ている。 いや、何も見てないのかもしれない。 大地と同じ色の髪は風に漂い、たったそれだけで何者にも犯しがたい雰囲気すら漂う。 この世界で唯一の存在…か… そんなことしったこっちゃねぇ。 俺はゆっくりと猿に近づいていく。 「…悟空」 こいつの名前。 「悟空」 ゆっくりと意思を取り戻す黄金の瞳。 「…さんぞ…」 時間の流れに取り残されていた馬鹿面の髪を軽く梳いてやる。 悟空はまるで猫のようにうっとりと瞳を閉じて俺に身体を預ける。 しばらくすると思い出したかのように呟いてきた。 「―おかえり、三蔵」 「…お前もな」 首をかしげて何か言いたそうな口は塞いで黙らせることにした。 悪いな。 お前たちなんかにやらねぇよ。 木々たちが何かを訴えているようだったが、 無視して部屋の奥に二人で引きこもることにした。 離れてなんかやるかよ・・・。 ・ 書きビトコメント ・ ★電車で座れなくてむかついてかいちゃいました・・・わけわからん。 ★問題解決してないから、続くのかな?続けるのか?続けるんか自分??? ★ま、今はこれくらいの量でいっぱいいっぱいです。忙し過ぎ。 |