「TDS その後」
Written by.部長 2003年12月22日(月)01:32


「 ぼーっとしてないで帰りはこっちですよ」
「あ、悪ぃ。すげーキレイだったからさ。」

―つーか八戒。おまえを酔わせに来たはずなのに俺が感動してどうする?余韻つうもんはねーのかよ。これは前にゼッテー来てるな。じゃなきゃ変だ詳しすぎる。

「はいはい導線を乱すとますます帰れなくなりますよ」

まだ波にゆれる光が瞼にちらついていた悟浄は、ゲートへと向かう人波にのまれそうなる。

「ほら悟浄、こっちですって」

前から手が伸び手首をつかまれる。

「うわ!すげぇ冷てえ」
「悟浄が熱いんですよ。冬だっていうのに、悟空とおなじ子供体温ですから」

手首を掴んだまま振り向きもしない背にむっとしてみる。

「ガキさるといっしょにすんな!   八戒、手袋は?」
「持ってないです。僕、末端冷え性なんで手袋してもあまり変わらないんですよね。今日に限ったことじゃなく、いつもなんです冷たいのは。」

「……」

…先手フォローしてるのにそんな顔しないでください、見なくても解りますよ悟浄。
行間に「失敗来るんじゃなかった」って書いてありますよ。
解りやすい人ですね全く。
幸せなイヴで締めたいんですよ僕は。


「今年はイヴになかなか貴重なものを見せていただきました。」
「あ?やたら詳しいツリーのことですか八戒様?」
「ん〜、まあそうですね」
「なんだぁ?その歯切れの悪い言い分は」
「素敵でしたよ。本当に」

「…まっいいか。」

―まっいいんですよ。貴方の横顔に見とれてツリーなんて見てなかったんですから。
無意識に僕に気を配っている貴方が光だけに心を奪われて。
子供みたいに輝いた紅い瞳に、光の波が映ってそれはそれは無防備に美しかったんです。
…なんてこと教えるつもりもありませんけど。


「ああダメですよ。こんなとこで煙草は。もう少しがまんして下さい」

―さっきから、なぜ判る!?後ろに目があるのか?こいつは。

「悟空におみやげを買っていかないと、定番クッキーなんかでいいですよね。チョコクランチとかもおいしいですけど。」
「ん〜いいんでないの。食えりゃ。」

のらりくらりしたいつもの返事に、あいかわらず振り向くつもりもない八戒。

少しだけ二人の温度差が近づいた気がした。



・ 書きビトコメント ・

 ギャ〜!!あたくしは何を書きたかったの!?
 教えてあ・た・し。
 難しいよぅ(>_<)だめだめだめだめだ。
 愛への道は茨の道。精進させてください…。

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