お題/85 「休日の朝は…」
Written by.彼方 2004年03月09日(火)02:35


目覚ましが鳴る前に僕はベットから降りた。
身支度を整えて部屋を出る。
家主より家主らしいと言われる僕の日課はいつも朝食の準備からはじまる。
昨日仕込んでおいたパン生地を成型してオーブンにいれたら、フルーツを切る。
ヨーグルトに入れる分とそのまま食べる分。
そうそう、ジュース用も用意しないと。
飲む時に絞らないといけませんよね。冷凍物なんて論外です。
皿に盛りつけたらオムレツとトマトを別々に焼きましょうか。
部屋にパンが焼ける匂いが充満してきましたね。
あとはソーセージを何種類か茹でて、あなたの好きな粒マスタードを添える。
きっとこの周辺は良い匂いなんでしょうね。
まさに朝って感じですよね。
ホワイトビネガーとオリーブオイルであえたサラダ。
そうそう、バターも軽く練らないと。
これはバターっていうのがポイントなんですよ。
悟浄なんかはマーガリンと大差無いって言ってましたけど、全然違うと思うんですけどね。
コーヒーをセットして、僕用の紅茶も用意して。
紅茶用の牛乳はそのまま。
温めたら紅茶の匂いが消えてしまうじゃないですか。
カップを温め、その他の食器を並べる頃には流石に本来の家主も起きて来ましたね。

「何か朝から張り切ってねぇか?」
「おはようございます、悟浄」
「ん、はよーさん」

「身体…平気ですか?」
くわえようとした煙草が落ちましたよ。
本当に悟浄って正直ですよね。
そんなところも好きだから良いんですけど。

「ぼーっとしてないで、座ってください。ついでに煙草は食後にしてくださいね」
「…ハイ…」

あなたって自分で言うのは良くても、人から言われるのは駄目ですよね。
そんな可愛い反応をするから僕もついついからかっちゃうんですよ?

コーヒーを渡すと悟浄はぼそっと呟いた。
「…これって俺へのサービス?」
朝食の事ですか?
普段よりちょっとだけですよ。
喜んでくれるなら、いつでもあなたの為に作りますよ。
っていうか、いつも作ってあげてるじゃないですか。
「そんなところです」
満足そうな悟浄は気付いてない。

テーブルセットが4つある事を…

「んじゃ、いただき…」

どうしたんですか、悟浄。
あぁ、外で叫ぶ声がしますね。

「八戒サン?」
「なんですか?」
「なんで4つ並んでて、バカ猿の声が聞こえるんでしょーか?」
「だって悟空を遊園地に連れていくって言い出したの、あなたじゃないですか?」
「へ?今日だっけか」
「そうですよ」
「そうですか…ってなら昨日はあんなにやらんでも…!」

言いかけてやめちゃうんですね。
でもあなたはそれくらいの方がいいんですよ。

だって…

「だってその方が常に僕の事、考えるでしょ?」

悟浄にキスをして僕は悟空用のカフェオレと三蔵のコーヒーを用意し始める。
きっと僕の背中を見ながら悟浄は複雑な顔をしてるんでしょうね。



・ 書きビトコメント ・

 ☆目指せ白のバック(笑)
 ☆駄目?駄目っすか?しかし4つ全てに何故5が絡んでくるのだ……

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