「影送り・sideB」
Written by.彼方 2004年01月31日 (土)01:04


俺はジープに揺られながら空を見上げてた。
青空はどこに行ちまったんだろう。
おまけに最近の三蔵は…機嫌が悪い…
「お〜、寒っ。こりゃあ、降るんじゃねーの?」
隣にいるエロ河童が俺と同じ様に空をみながら呟いた。
「あの厚い雲の上にも青空はあるんですよねぇ」
「…青…空…?」
この上に青空がいるの?
「あるんですよ、悟空」
こんなすげー厚い雲の上にも青い空はあるんだと八戒は言った。
本当に…?


夜、目が覚めたら俺は三蔵の腕の中にいた。
昨日は別々に寝たのに、いつの間にか三蔵のとこに潜りこんじまったみたいだ。
三蔵の綺麗な紫の瞳…みえないと感じが変わるよなあ。
普段はあんなに冷たそうなのになぁ。
「…暖かい…」
三蔵の胸に顔をつけると、心臓の音が聞こえて来た。
なんだかほっとする。
俺これからも三蔵と、こーしていられるのかなぁ。
あと、八戒も悟浄も好きだから一緒にいたい。

でも、三蔵は…人間…なんだよなぁ。

いつか離れなきゃいけないのかな?
急に消えたりすんのかなぁ…
「…そんな、の…いや…だ…」
そう呟くと突然、三蔵に強く抱き締められた。
起きてる?
でも、起きてたらぜってーしなそうだから寝てるよなぁ。
どっちの三蔵も好きだからいいけどさ。
…あ〜あ。
俺ってば夜中に何考えてんだろ。
そーいえば、明日、降るかもって八戒たちが言ってたっけ。
…雪…
たぶん、平気。きっと、平気。
だって三蔵が居てくれっから。

なぁ、三蔵?
早く青空に追い付こうぜ。
それでさ、4人で飯食って昼寝して…
そういえば前に八戒に教えてもらった遊びなんだっけ?
天気の良い日にさ、影をじーっと見て空見ると影が空に飛んでったじゃん。
あれ、またやりたいなぁ。
だってさ。影たちが空飛べて楽しそうだったから。
「…さん…ぞ…」
俺は背中にまわされた袖を掴んだ。
よくわからないけど安心する。
この先もきっと大丈夫。
…一緒…だから…傍にいるから…恐くない…

          >> sideA


・ 書きビトコメント ・

 私の中では三蔵絶対主義の悟空なのでやっぱりもっと甘ちゃんなのが好きです。駄目ですか?でも書きます。じゃあ聞くなって感じですか?すみません。
 なんか超死にそうな忙しい時に1週間くらいでこの5作は書きましたよね?
 あっはっは。
 そんなもんですよね?ね?(・・・ほら職場一緒だから・・・)

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