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Love & Peace & Happy Together [03/26(Wed) 13:16]
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 ある朝ノロイののたまいて曰く。
 「戦争だっチェンバレン!」
 朝食のオムレツ(今朝はハムとアスパラガス入りだ)をつつきながら、チェンバレンは特段驚く風でもなく答えを返す。
 「今度はどこだ。隣町に手を広げるか? あそこは少々広いぞ」
 「違うぞドクター。今度のはそんなちゃちな戦争じゃねえ。目標は世界だ。世界征服だ!」
 「世界ねぇ…」
 ミルクを手にとりチェンバレンは少しだけ眉を寄せる。少し陽気が暖かくなって来たので今日のミルクはホットにはしなかった。
 「確かにオレたちドラゴンロッカーズはこの町内会を見事に手中に収めた。が、そんなことに甘んじてちゃあ男がすたるってもんだ、だろチェンバレン」
 「それだけの理由で一足飛びに世界が相手か?」
 するとにやりと笑って、ノロイは大きな画用紙を広げた。
 「どうだこれ!すげーだろっ」
 夕べ寝ずに描いたんだと自慢げに広げたその紙には何やら部屋のような仕切りが沢山あり、その上に汚い殴りがきで“ノロイさまのお城”と書いてあった。
 「城だ!でっけー城を建てるんだよ!そのためには広い土地が必要じゃん?なんたってナンバーワンな俺様のお城だからなっ」
 そう来たか…と、トーストの最後のひとかけを口にほうりこみ、きちんとミルクで口を潤してからチェンバレン、
 「で、作戦は?」
 「そりゃあもちろん、こいつだ!」
 とすぐにノロイは握りこぶしを突き上げる。
 「力技、ねぇ」
 毎度おなじみの有って無きがごとしのこの作戦。いつのまにかこちらの皿に載せられていたサラダのピーマンをノロイの器にもどしつつ言う。
 「その作戦では私の出番はないな。まあ頑張れよ、ノロイ」
 「何言ってんだよ! もちろんチェンバレンも強制参加だからな。だってほら」
 と、さきほど広げた城の設計図の中ほどを指して
 「ほらここ。チェンバレンの部屋は俺のとなりに作ったからな!」
 さも満足げに笑みをこぼす。
 「一緒に世界征服しようぜ!!」
 そういうノロイの手にはフォーク。相変わらずピーマンも残したまんま。
 「……仕方ないな。作りかけのサイボーグを試してみるのも悪くない」
 「そう来なくちゃ! よっし、“世界最強誰にも負けないもんね計画”の発動だっ!!」
 と言い切って最後のミルクを飲み干したノロイを見て
 ──やれやれ世界は平和だな
 と小声でつぶやきつつチェンバレンは、デザートのフルーツヨーグルトをテーブルに運んだ。