年末駆け込み観劇のようです。


■青年団「ソウル市民　昭和望郷編」「ソウル市民１９１９」
これと見逃した一番古い「ソウル市民」を併せて三部作連続上演でした。噂に聞いたところ「ソウル市民」が一番怖いらしいです。
以前観たとき、［静かな芝居］は今一つまらなかったので敬遠していましたが、これは面白かったです。
ソウルに住むある日本人一家を、時代時代で切り取った三部作。
戦争をあつかうと、声高々に悲惨さをうたう芝居が多い中、日常生活を切り取ったシュチュエーションは新鮮です。
自覚しない差別、根拠のない楽観的展望。登場人物がはしゃげばはじゃぐほど、背中がうすら寒くなることうけあい。

■「ア・ラ・カルト」
毎年12月に青山円形劇場でやって高泉さんと白井さんの芝居です。さすが十何年も続いているだけあるクオリティーの高さです。
4人しかいない出演者と中西俊博バンドさんと合わせ、まったく飽きさせない、これこそウェットに富んだ笑いとスピーディな話の運び!
なにせ歌が上手い!そしてプロが奏でる生の音楽。観る前はチケット代が高いなんてぼやいてましたが、ごめんなさい。大人を楽しませる、充実した3時間に大満足です。
ゲストなのに面白すぎ。次期ジギルトハイド鹿賀丈史の座をねらう石井一孝さん
このメンツだと歌がいまひとつの陰山さんが歌った捨て身の。お召し物も胸元全開のラテンなシャツで、演劇人らしい青白いあばらを披露していました。ラブ!
高泉さんも白井さんも芸達者すぎ。その場で来年のチケットの予約をしたがる客の気持ちがわかるよ〜


■米米ＣＬＵＢ演劇部「私がオバさんになってる！？」
………わたくし、米米を愛しているので、イイコトだけ言います。
・小野田さんのTIME STOPの替え歌が聞けた!
・みなちゃんの歌唱力は微妙と思っていたが、矢沢心より格段に上手いっ
・千葉さんが演じてたテンプラダ婦人はセレブなはずなのに、歩くと場末な匂いがするのがグー
・みなちゃんを含め「おばさん」は皆若くて&図太さがないので、迫力にかけるが、千葉さんはゆるぎない「おばさん」でした。しびれる〜

直帰して9時からの映画劇場を居間のこたつで見ます。

■ラスト・サムライ
う〜ん。ツッコミどころ満載。渡辺謙の彫りの深い顔は外人ごのみだと思う。
小雪は日本人というよりはアジアンビューティーね。トム・クルーズより背が高いのだけどＯＫなの?
馬に乗ると髪をなびかせるサムライ続出。
もりもりの声がかっこいいのよ!トムには勿体ないわん。

■たそがれ清兵衛
地味な映画でした。
う〜んどこがいいのか、機微に疎いわたくしにはとんと解りません。
りえちゃんが可愛かったかも…
コギレイ侍の吹越さん、ズラがよくにあう。


■北の零年
寒っ!なのに淡路島からきた皆さんは薄着。
新天地開拓で侍姿で泥まみれになっている姿に萌〜。
またここにも吹越さんがっ　よっ侍役者！
トヨエツがアイヌのおじさんに拾われて、アイヌの伝統衣装を着ているの。で、額あてがというのがあるのだが、どう見ても巌窟王の伯爵の模様だ。
吉永小百合がピンチになると、どこからか現れる、ストーカーえせアイヌとよえつ。
なんだかな〜辛い映画かな。

いやはや、なんだかまだ芝居見てました。年末だっちゅーのに。

■日生劇場「紫式部ものがたり」

真央さまです。美しいです。やっぱオーラがありますね。いろいろしがらみに縛られる、この規模の芝居にしては、どたばたコメディタッチの脚本で面白かったです。
十二単で歌うし、やっぱ神田沙也加ちゃん歌上手かったし、上條さんがあんまり歌わなかったのが残念。
升さんが真央さまのお相手役をやる時代がくるなんて…感慨深いものですな。


■zupa「幻想の虹」
二度と行きたくない劇場のトップに躍り出た『pit北／区域』！地下にスペースがあるのですが、狭くて暗くてごちゃごちゃしている階段ですっころばなかったのが奇跡です。
あ芝居ですか？「サロメ」と「カリギュラ」からインスパイアされたイメージを繋げた見世物になっています。昔こういう芝居よく見たような〜あえて今観ると新鮮なのかな？あたしゃこっぱずかしかったけどさ。テンポよくて女優陣がキュートでした。


■10Q ONEMAN LIVE 2006「転球入魂Special　変幻自在」
福田転球さんのワンマンライブです。構成と演出に山内圭哉さんが係わってます。
ぬるいネタなくせに一生懸命で多汗症な姿はステキですよ。散々笑って観劇後、内容を全く覚えていない感は、新感線と転球さんくらいです。
日本在住外国人と一人生い立ちミュージカルが最高でした。
「自律神経が出張中」貴方の活躍を心待ちにしています。わくわく。

あい、まだまだ観てますことよ。

■Ｍ・Ｏ・Ｐ「ズビズビ。」

自転車キンクリートＳＴＯＲＥのラティガン祭り（テレンス・ラティガン３作連続公演）の時、マキノ氏が訳・演出した「セパレート・テーブルズ」は作品の第一幕と第二幕が別の話になっていました。その形式にインスパイアされたのが４幕オムニバスの今作品。
４話のうちの一つに「ビタースウィート」というのがあったのですが、まさに大人になってしまったから感じるほろ苦い人間模様が泣ける。涙は見せないのよ、心で泣く感じ。
Ｍ・Ｏ・Ｐは安心して観られるのよね。<癒し>って言葉嫌いなんだけど、癒されているのだなきっと。心身ともに健康じゃないからウォーキングスタッフとかは無理！受け付けない。
客演ではお母さん役になってしまう緑子さんの娘さんはベリーキュート！無邪気で愛らしい。小市さんはますます実年齢が判らなくなるフケっぷりが堂に入ってます。三上さんは地に足が着いてない夢見がちなチンピラらぶ。そして気になる役者ＢＥＳＴ３に入る奥田さん！前々作品「虚飾の町に別れのキスを」では金髪だから外人だよねロニーだから外人だよねっ？ドラマ役者魂に現れた時は奇声を上げてしまいました。いいわなんだかいいわv


■劇団四季「ライオンキング」

芝居は四季しか観ないバイト先のおばさん曰く「ライオンキングが一番面白い」
へーそうオペラ座よりぃ？　まあそこそこ芝居を観ているわたくしは、たしかに侮っていました。
ゴメンナサ〜イ
ものごっつセンセイションな体験でございました！
オープニングが見所と聞いておりましたが、あのキリンは修行？インパラは昔の蜷川舞台を思い出したよ。なぜ腰を曲げるとライオンの顔が飛び出すの？いらないじゃん。干からびる水場が見事。ジャバラ太陽がかっくいい！仔ライオンが可愛いっ　鳥がヘンっ草が草が地面から謀反を起こしてるっ　馴染みの薄いアフリカンな歌が神秘的っ　チーターがケンタウロスみたいっ　
頭大丈夫？ジュリー・テイモアさん。もう想像を超えてました。すげーや。下手に考えさせないで視覚に直接訴えるのがいい。童心に戻ったよ。素直に楽しんだ。やっぱおかしいよテイモアさん。

ホント忘れるのよ。どんなに感動してもさ。忘却力に勝るものなし!

あ〜11・12月に立て続けに芝居を観ました。ので一口感想。


■る・ばる「八百屋のお告げ」

三婆(松金よね子さん・岡本麗さん・田岡美也子さん）が大騒ぎしているのを見ているだけで幸せな気分になります。老若男女楽しめる芝居、みんな観に行くべき！
毎回ゲスト役者を呼ぶのですが、今回の方もいい味出してます。
誰がなんと言おうと、私はこの人の男役が大好きです加納幸和さん。
ビデオでカクスコは見ていたはずだがまったく忘れていた。物凄い衝撃！怪優っていうのだろうかいろいろ紙一重で絶妙〜井之上隆志さん。なんと来年はラブリー勝平ちゃんと新国立劇場で競演。
顔、でかい…好き好き大好きv佐藤二朗さん。
鈴木聡さんは、おっさんなのにどうしてあんなリアルなおばさん達の会話が書けるのだろう？この人の泣かせる感じは好きだす。


■猫のホテルプレゼンツ　表現・さわやか「そこそこ黒の男」

だだだだれっ貴方！伊藤明賢？！やっぱり誰？同行者には「それは言い過ぎ」と言われたがトヨエツ似のイケメンなの、猫ホも面々もそんなに酷くないのだけど、この言葉を使わせてっ＜掃き溜めに鶴＞
えっ３６歳だって？今までどのに埋もれていたのよ。カッコイイし背は高いし体格いいし、望まれた演技はちゃんとこなすし、タップも踏めるし、個性は一回見ただけで伝わらないけど、なぜ今まで世に出て来なかったのっ、名だけ知れてるヘタなタレントを使うくらいなら、貴方を使うべきっ！！
憤る妄想マネージャーと化した私はＨＰを見た！………お笑いがやりたいのね。理想と素質。やりたい事と求められる事。切なくなる今日この頃。
さわやかは、通常勢いをもとめられるモノかと思いきや、「ゆるりとしたテンポでもコントは成り立つんだ」ということを教えられました。池鉄の女装は可愛かったです。佐藤真弓さんの子供はめちゃくちゃ可愛いかったです。本公演では場末の女役が多かったので新鮮。子供がもつ黒い無邪気さもグー！この内容で駅前劇場ってのもグー！
唯一嫌な感じだったのは、まわりが業界クサい人ばかりだったこと〜