先月末に見たんですが、まだ感想を書いてませんでした。…感想書くのに体力いりそうな気がして;
なので軽めに書こうと思います、なるべく。
<以下ネタバレご注意> 見る前、悩んだんですよ、行こうかどうしようか。何故かと言うと、実は……私、篠井さんに微妙な苦手意識があったりするからです;うわー言っちゃったい。嫌いとか見たくないとかそういうのじゃなくて、単に水が合わないと言うかの程度なんですが、共演と聞いてうーんどうしようかなと。ですが、結果的に行って正解でした。良い芝居でした。
狙ったんでしょ?とも言われそうなハマり役っぷりな篠井さん、ああやってじっくり見ると、演技が本当に繊細。さすがだなと、思いました。彼が圧倒的なセリフ量なのは当然として、3幕通じてその相手を担うのがさとし。うわーー、なんか、うわーーーー。
端から見れば流石に実力はおよばないのでしょうが、私的には「ちゃんとやり合ってるじゃん!」と。感動すら覚えました。一緒に行ったYちゃんも「かっこいい」と言ってくれたように、見栄えはやっぱり迫力有り。あの役的には見栄えもけっこう重要と思うので大事な事です。ある意味自分勝手で、楽しめればどんなことでもしてしまって、「相手に悪い」という気遣いが全くない男。だけど、なんだか放っておけない。それは彼が恐ろしいほど自分に正直だから。というのが分かってるからアーノルドは彼から遠ざかることができないんでしょうね。何をやっても、見た目とは裏腹にキュートさを置いてけぼりにできないさとしならではというか。良い役に当ててくれたと思います。
基本的にしっとり聞かせる会話劇。シンプルな演出がそれを際立たせてます。考えてみたら、鈴勝さん演出作品てツボること多いなあ。じっくり胸に響かせる作品がうまいですよね。
3幕の中で、一番好きだったのは2幕目でした。ベッドを交差する演出もかっこよくて、ゲイが混じることでより複雑になる男女4人の関係が、友情だったり愛情だったりそれら全てが同時に存在している感覚が面白かった。結婚行進曲をリクエストするところ、かなり私もぐっときました。
関係ないんですが、終演後にたまたま友人Sに会いまして。久しぶりー、と声をかけたら彼女は涙目でした。今終わったばかりの3幕目、闘いとも言える母子のお互いの人生をかけた会話のシーンです。ああ、彼女は泣くかもな、と、そんなことを思いました。
人によってツボに入るシーンは違うでしょうね。それぐらい3幕の毛色もそれぞれ全然違いますし。面白い試みで、そして、良い作品でした。
あー、軽く書こうと思ったけどやっぱり重くなるなあ;こういうの苦手です。でも、芝居は面白かったんです。嫌いじゃないんです。難しいね。
あ、あと全然関係ないこと書いていい? 篠井さんの演技って、やっぱりどこか、加納さんに似てるんだよね。間の取り方とかちょっとした言い回しとか。それでいて決定的に違うところがある。それでね。
見てる間にふと思ったんですが、篠井清葉と加納お孝で日本橋をやったら、ものすごくものすごい事になりそうじゃありませんか…! 勝手に妄想して鳥肌立ちそうになっちゃいましたよ。うっわすげ。誰かやってくれないかしら、これ。