うっかり読み始めたら止まらなくなりこんな時間です。あー久しぶりにミステリをがっつり読んだなー。読みやすいのと先が気になるのとで一気でした。
世の中に疎まくりなので、「ああ、ガリレオのシリーズなんだ!」というのは読んでる途中にたまたま流れてた映画のCMを見て気づいたというていたらく。映画公開直前でものすごくタイムリーに見えますが、単なる偶然以外の何者でもないタイミングです。当然ドラマも、そっちの本も読んでません。なので超今更な発言ですが、
<あー、畳んどきますねネタバレ注意!> 一つだけ言いたいのは、ってか誰もが言うところでしょうが、石神が祭先輩てどうなのそれ!!! 格好良すぎでしょ、間違いなく。しかも、そこの所ってテーマの根元に関わってくるんじゃないのか。いいのかそれで。大丈夫なのか。…映画のトレーラーとか見たら、ご本人はすっごくダメっぽく、それは上手に役作ってるなあとは思いましたけどね。流石だなあ堤さん。にしても格好良すぎだろう、石神も「湯川も。」
あ、あと、雪山ってなんだおい。@映画
ミステリとしてアンフェア?な意見があるらしいですが、「書いてない」てだけで、「ウソ書いてる」訳じゃないですよね。じっくり読むとちゃんとヒントもあるみたいですが、でも所謂「分かって読めばちゃんと書いてある」叙述トリックとは違って、あえてはっきりと「書いてない」 確かにとてもギリギリなライン。この辺の「意図的に書かない」感じは「どちらかが彼女を殺した」とも繋がるのかなあ。
そういう前評判を聞いちゃってて読んだので、途中途中で、すっごい何度も前の方確認しながら読んじゃいましたけどね(笑) とはいえ、いつも真相に気づくことなんて出来るはずがないダメ読者なので、「そういえば言ってないよね!」と、言われてから気づくのは当たり前のこと。最初からあんなにはっきり分かる形で死体が出てきてるのに、何故疑わないのか。「映画を見に行くっていってた」という発言から、「それは一体どういうトリックだ?!」と思いはすれど、何故そっち方向には疑いをかけなかったのか。自分のダメ読者っぷりは棚に上げたとしても、「むしろ、シンプル」なそこら辺のトリックは、キャラクターの性格や背景などまでもを含めたミスリードのうまさだと思いました。
もっとも「驚きのトリック」と言われてから読んでしまえば、それ自体に衝撃は走りませんでしたが(すいません; 上記みたく噛みしめれば上手いなあーと思います) 私的に一番キタのはラスト、靖子に3通の手紙と一緒に渡していたメモ、でした。それすらもだったのか…!疑って悪かった(涙) あと。壁に向かって四色問題を解き続けるシーンが泣けた…むしろ彼にとっては、あの瞬間が一番幸せだったんだろうなあと。一度はロープに手をかけた人間が、愛する人を守ること、自分の一番好きなことを存分に出来る時間、その二つを手に入れたんですからね…
逆にラストは「ここで終わるのかよー」感がなくもないのですが、あと、数学が思ったほど関わって来なかったのが残念でしたが、何にしろ、こんな時間まで一気に読んでしまったことは事実。面白かったです。