2014/04/16(Wed)
円形のパン屋帰り。の、伝説の例のアレ。
なお自慢ですが、私前回のシートも匂っております。
名前は当然知っていても、実のところその作品にはあまり馴染みがなかったりする岸田戯曲。1幕ものという小品であるが故か、なんていうかどれも、身も蓋もないというか、大きなドラマが起こるわけでない世界観。モビールのセット、なるほどなあ。ゆらーゆらーっと揺れはするけど、揺れるだけ。
そこを、衣装やセットや演出でものすごくポップにキュートに作っているのが流石というか、逆に、「このポップキュートに目くらまされるようじゃダメ」って言われてるみたいで、私なんかの知識理解力では時々怖かったりするんだナイロン…。
もとい。いやーー衣装さすがのキュートさ。そしてアレ、実は結構早替え祭りだと思うんですが裏どーなってんだ。「ん?さっきの可愛かった衣装あの一瞬だけ?」みたいなのもあるんだもの。贅沢。
ナイロンの役者さんたちって、すごく地に足ついて日常的なような、実はどっか1本ズレてる非日常なような、そこの際をいくのが上手だなあといつも思うのです。…の中で、いつも舞台荒らしなんだってばじゅねさんは!(笑)
いや今回は、「恋愛〜」のとこで地に足ついた演技も堪能できるのですけどね。冒頭なんでしれっとそんな可愛い衣装をあなた……。お客さんがまだ入ってきてたのを舞台上からいじる冒頭、小声の「さらしもの…」を私は聞き逃さなかったよ!黒いなまったく!(笑)
あそうだあとアレ、伝説のあのシート(笑) 懐かしいね、前回って健康の頃? さすがに記憶もあやふやなんですが、においの技術が進歩してる気がする…! 4番のにおいが好き。
演劇ににおいを持ち込む演出は試みとしては素晴らしいんだけども、前回のだとシュールギャグな作風だったからネタとして合っていたけど、今回みたいな作品だとどうなんでしょうね、浮いてはおりませんかね? さっき書いた「ポップキュート」に目くらまされるのの一環として理解はできるのだけども。
そして逆に考えた時に、具体的なにおいを持ちださなくても、例えば海のシーンなら潮の香りを「想像しながら」見ることができるのが、演劇の面白いところでもあるんじゃないか、とも改めて思わされたり。
そんな感じかな。しかし本当に、抜群にポップキュートな、それでいてじんわりした会話劇を楽しめますので、みんな円形行くと良いさ。いや、端の方席残っててもったいないなってね…(まあ確かにお値段もそこそこなんだけども;)